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世界に“驚かされてしまう”/南アフリカ開催のわけ

少し古い話題になるが、
最終予選の大一番、先日のオーストラリア戦。
(祝日である建国記念日の日に、この大一番の一戦目をHOME開催でやったのは、FIFAに唯一口出しできる広告代理店として名高い、D通の力が働いたように思うのは僕だけだろうか・・・)
個人的に前半は見応えのある試合だったと思う。
しかし。90分を通して、特に後半はオーストラリアのディフェンス4枚と3ボランチの7枚の壁に阻まれ、気づけばオーストラリアの狙い通り、勝ち点1を分け合う結果となっていた。

試合を通して日本はボールポゼッションこそ高かったものの、縦へのスイッチがなかった。
(オーストラリアは得点源であるケネディをベンチに置いていたことからも、ある程度日本にボールを持たせて、ケーヒルのカウンター狙いという戦いであったから、ボールを日本が持たされていたという見方もあるが。)
前半、確かにいい形はあった。
中村がエリア内で縦にスルーパスを出したり、
右サイド深くから早くて低いボールをクロスして、
得点の匂いがする場面はあった。
しかしもっと見たかった。

縦に早いボールを付けて、バイタルエリアで玉田、田中、松井(大久保)、中村が当てて落として、三人目というタン、タン、タンという縦へのリズムがなかった。
田中達也も狭い方にターンしてしまうし、
松井も守備は身体を張って貢献したものの不用意なドリブルで失うことが多かった。
大久保ももっとシュートに絡みたかった。
また全体としてシュートへの意識が希薄で、
相手を脅かせたシュートは後半の遠藤のくらい。
バイタルエリアに入ったら、どんどん狙うべきだ。
内田も緊張してたせいか、パスミスが目立ち、
攻撃参加も(相手がイエローもらってるのだから)自分で仕掛ける場面が見たかった。

「日本は技術は上手い」とよく形容されるが、
実際その形容詞はアジアでは当てはまるが、
こと世界に目を移すと全く通じない形容詞である。


オーストラリアはFIFAランク27位。(先日の発表では日本は37位。)
当たり前かもしれないが、リーガを見ている方が全然レベルが高いし、なにより攻撃のスピードが違う。
でもW杯本番では、バルサ、レアルは例外としても、スペイン、アルゼンチンをはじめ欧州・南米のトップチームはバレンシア、セジージャ程度の力はある。
いやもしかしたらバルサ、レアルの力があるかもしれない。
昨日はレアル相手に大敗してしまったけれどスポルルティング・ヒホンや、マラガといった中堅クラブでも今の日本代表は危ないかもしれない。というか危ない。
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岡田監督が掲げる、「接近・展開・連続」更なる成熟と、
縦への共通意識のチーム理解を高めないと、
本番で世界に“驚かされて”しまう。

個人的には、ドイツ出身のフィンケ監督の下で高原が復調して、
FWの軸となって、帰ってきてほしい。


さて次回のW杯は、南アフリカ開催であるが、
なぜサッカーが大して強くもない南アフリカなのか。

FIFAのブラッターは大陸別にW杯を持ち回る方針をとっている。
ここ最近の開催地を振り返ってみると、
94年中南米(アメリカ)、98年欧州(フランス)、02年アジア(日韓共催)、06年欧州(ドイツ)ときている。そうサッカー大国、南米の名前がないことに気づく。
南米で開催されたのは、78年のアルゼンチン大会まで遡る。
(86年は、コロンビア開催の予定だったが、地震のためメキシコ開催になった。)
これは、今でこそBRICsのひとつであるブラジルは経済成長を見せているものの、
南米全体が自国の経済状況が思わしくないので、開催に手を挙げなかった。
そしてようやく14年に開催できる見込みがたったので、
そうなると10年は必然的に中南米、オセアニア、アフリカのいづれかになる。

BRICsの最後のsに入れるか入れないかと言われている南アフリカに話を戻すと、2002年のFIFA会長選挙にまで話を巻き戻す必要がある。
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当時、再選有力という状況でなかったブラッターは、アフリカ票を得るために、
10年を南アフリカで開催するという(裏)約束をしたという。
そいった経緯があり、
ブラッターの会長の椅子と同時に、
14年の南アフリカ開催が決まった。


従って、どんなに南アフリカが開催能力がないと指摘されても、
実際、インフラや施設工事が進んでいなくても、FIFAは南アフリカから開催権を取り上げることができない。ブラッターが会長である限り。

その証拠に、昨年末、クラブワールドカップの際に来日したブラッターは、
記者会見で、南アフリカの開催準備が順調に行われていることを評価し、南アフリカでの開催を改めて宣言したのである。


「今日の一枚。」
(うちはWOWOWなのでスカパーさんの)
セリエAなので見れなかったけれど、
注目のミラノダービーは問題児アドリアーノの活躍でインテルが2−1で勝利だって。
やっぱりアドリのポテンシャルはやばいね。これで放出濃厚だったアドリ、来季も残留?
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ちなみに、セビージャのMF⑧アドリアーノはすごいいい選手です。よく走るし、まじめそうだし。(笑)

by shibapiero | 2009-02-16 21:50 | 柴崎スポーツ コラム編

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