先日の6日間のLondonへの旅で気付いた事を、忘れないうちにメモしたい。
英国をモデルに二大政党制を目指してきた日本。
最近では“新” 管首相が、「第三の道」という表現を使い、日本の針路を語っている。
言うまでもなく、「第三の道」はトニー・ブレア元首相が提言したものである。
(名付け親は、アンソニー・ギデンズと言われている。)
つまり日本という国家は、良いか悪いかは別にして、
英国をモデルにしているのは明白である。
ではTokyoとLondonはどうなのか。
クリエイティブ産業、シティの金融バブル・・、
90年代後半から00年後半までを一気に走り抜けたLondon。
しかし金融危機の影響をもろに食らったのもLondonである。
酸いも甘いも経験したこの街に、
閉塞感が漂う東京の現状を打破するヒントはあるのだろうか。
自分に足りない何かを探しに、
東京に欠けている何かを見つけにいった6日間。
走り書きではあるが、様々な違い、気付き、発見を身付けることができたのは、
個人的に何よりのお土産である。
しかしその前に、
ひとつ感謝しなければいけないことがある。
現地で歓迎してくれた、
野村、えーちゃん、秋吉兄弟、元田太郎、ゆかこちゃん・・
特に野村、えーちゃんは、1日かけてOxfordを案内してくれて、
1日で回れる限界量を提供してくれたと言っても過言ではないくらい、
濃密な時間であった。
この場を借りて、心から感謝したい。
唯一、心残りなのは、
タイミングが合わず、西室陽に会えなかったこと。
サッカー部を引退後、ブライトンビーチを眺めながら勉学に励む彼に一目会いたかったが、それはまた次回の楽しみか。
それでは走り書きだが、
気付いた事を忘れずにメモしたい。
◯きっとLondonのバブルが弾けたのは間違いないだろう。
しかしその余韻はおおいに見受けられ、
ベンツ、ポルシェ、BMW、フェラーリ、ランボルギーニ・・
高級車が至る所で走っていた。
また銀座店の面積の4倍はあるApple store、
世界最大のNIKE TOWN、
Louis Vuitton史上最もラグジュアリーな路面店・・。
バブル崩壊後、なかなかバブルの依存症から抜け出せなかった当時の日本のように、
Londonにもまだまだ金融バブルの余韻が残っていた。
◯(高城さんの言うように、)確かに、オーガニックブームであった。
高城さん曰く、Londonで一番敏感な人が集まっていると言う、
噂のオーガニックレストランのランチは満席で、
EAT.というスターバックス、マクドナルド並みの店舗数を構えるライトフードショプのポテトチップスは、
人参ポテチと、野菜ポテチというラインナップ。
◯外国人が多い。人種のるつぼであった。
お店の従業員も英国人ではないケースが多々見受けられた。
日本では、従業員が外国人の場合、まず中国か韓国人のみ。だいぶ違う。
◯日本という国、東京という都市の存在感は、ほとんど感じられなかった。
(日本食以外は。)
◯日本は世界地図のはしっこにある、不思議な経済大国。
お金持ちであり、英國や欧州にはない独特な文化を持った変わった国である。というのが一般的な認識のよう。
漫画、アニメ、カメラ、デジタル機器、あとはサムライ。
◯SONYのブランド力は健在で、VAIOを持つ事はちょっとしたステータスであるそうだ。
◯同様に、日本車は高級車である。みたい。
◯東京と売っているモノは変わらない。
◯TOP SHOPは勿論、H&M, ZARA, GAP, UNIQLO・・
Londonでもファストファッションの流れは鮮明で、店舗数も複数見うけられた。
逆にスーツなどの紳士服を取り扱う服飾店はSALEの文字が踊っていた。
これも日本、東京と同じ。
◯英国の若者男子に流行っているカジュアルブランド、「SUPER DRY」。
人気の秘密は「極度乾燥しなさい」のブランド和訳文字が刺繍されていること。
漢字ブームらしい。
◯英国製ブランド品は、やはり日本より数段安い。
クラークスのデザートブーツはどれも¥8,000程度安いし、
英国紳士御用達のチャーチも、日本より3割〜モノによっては4割程度安い。
◯価格はポンド安の影響もあり、
どれも日本より全体的に15%前後安い場合がほとんど。
しかし逆にApple製品は日本より20%前後高かった。
(乗り換えた香港空港では、逆に日本より20%程度安かった。)
Hong Kong<Japan<U.K
◯何においても階級社会だと感じた。
日本も格差は当然あるが、日本よりも生められない何か大きな格差(階級)があるように感じた。
◯野村とえーちゃんに案内してもらいOxfordにも1日滞在したが、
Oxfordは東京よりも時間の針がゆっくり流れているように感じた。
1日にいて、エスカレーターもエレベーターも無かったし、
ゆっくりと、でも確実に時を刻んでいる気がした。
◯OxfordもLondonも、
町並みに歴史があり、なにより古くからある建造物が当たり前のように点在する。
地震大国日本では、考えられない話であるが、
これらが英国紳士の佇まい、誇り、自国へのプライド・・それらのルーツになっていると感じた。
逆に日本の方が、新しい文化、モノを取り込むのがうまいなとも改めて感じた。
◯ArtやDesignの分野から発信が多いことにも頷けた。
古い建造物や文化が当たり前のようにある環境で生活することは、
それらからインスピレーションを受けることは必ずやあるだろう。
そもそもあの雰囲気に、ArtやDesignはよく似合う。
◯W杯期間中だったこともあるが、
サッカーに限らず、スポーツ人気は非常に高い。
ラグビー、テニス、クリケット・・文化として根付いていた。
◯一方、デジタルサイネージにはちょっとがっかり。
1年前まで、Londonはデジタルサイネージ(=電子看板)の世界最先端をいっていると言われていた。
特に地下鉄はすごいと。(東京同様、地下鉄文化ですからね。)
しかし行ってみると、
量、質、ともに、今は東京の方が完全に上回っていた。
電車内のトレインチャンネルだけでなく、今はJRの駅もそう、東京メトロのホームもそう、
店頭の前、スーパーの中、学校・・
この半年、1年くらいで、東京は至る所でデジタルサイネージが急増した。
そんなところでもLondonの金融がだいぶやられてるな、
と感じずにはいられなかった。
◯日本に比べると娯楽が少ないように感じた、
スポーツ、ミュージカル、映画、(夜の)クラブ、パブ。このいづれか、みたいな。
でもどれもカルチャーとしてしっかりと確立されいていて、
東京のようにいろいろ点在しているのではなく、それらが根をはっているような印象。
◯「本物」が多い。
本物の定義は人様々だが、
娯楽もしかり、文化もしかり、教育、建築、紳士服・・、
それぞれ脈々と受け継がれてきた「本物」が日本よりも圧倒的に多い。
◯ただそれは、新しいモノ、文化を取り込むに、
時間がかかるという印象。
◯なので新しいモノ、文化を持ち込み、発信するのは、
英国人ではなくて、英国に住む外国人なんだななと感じた。シティの金融もそうだよね。
きっとブレア政策の影響か。
以上、ざっとそんなところである。
足を運んで、見て、触って、感じる情報が、一番のリアルだと、
改めて感じることができた。
「今日の一枚。」
こう見ると、日本は世界の大陸の端っこにある、小さな島国。
いつも見ている日本仕様のではなく、世界基準の世界地図で改めて再確認できる。
ちなみにこの色のプロットは、「世界平和度指数ランキング」。
青→赤の順に、安全から危険度が増していく。
この図は2009年のものであるが、
今月8日に、2010年のランキングが発表された。
1位 ニュージーランド
2位 アイスランド
3位 日本
4位 オーストリア
5位 ノルウェー
で英国は149カ国中31位で、 韓国が43位、中国は80位で、アメリカが85位。
W杯開催地の南アフリカは121位で、
ソマリアは148位で、最下位はイラク。
そういう観点からは、
国際競争力が無く平和ボケと言われつつも、
日本はいい国でもある。。